共同開発ってそれぞれの知恵を出し合って進めるのだから、良いものが簡単にできそうなイメージを持っていました。
ところがいざやってみると、それぞれの普段扱う食材の違いやオペレーション負担などの環境の違いなどで、簡単に事が運ばないと思い知ることになったのです。
「この食材はうちでは扱えない」 「オペレーションが複雑だ」 「仕入れの問題はどうする?」などなど。
通常営業で扱う商品やオペレーションを犠牲にしないで、共通のメニューを提供することの難しさ。
コラボ企画第3弾は2024年6月から企画を練り始めました。
いろいろ検討した結果、そもそもスープ作りが違うので、同じスープを使ったラーメンを出すのは難しい。
そこで、「まぜそば」なら、汁なしなのでいけるんじゃないか?
ということで、まぜそばのベースとなる味を互いに持ち寄ることになったのです。
2週間後に互いに持ち寄ったまぜそばのベースのたれは、「カレー」「トマトソース」「ゴマダレ」「海老油」の4種。
「具材に海老を使ったらインパクトあるんじゃないか?だったら海老油だよね?」
そんな会話ののち、味のベースは海老油で決定。次回は味の調整と具材を決めることで2度めの打ち合わせは終了しました。
7月に入り私が3度目の打ち合わせに立ち会うために行くと、そこでまさかの展開が…!
なんと、七志の調理本部長が「前回の大桜さんとのコラボで使った、大桜さんの鶏油がかなり余っています。これを使い切りたいので海老油をやめて、鶏油にしようと思います。」と言い出したのです。
「えっ、今更のちゃぶ台返し?」
「まぁ、食べてみてください。」
そう言われて食べみると確かに旨い。
「でも、鶏で商品としてどうやってインパクトをつける?」「海老の方がインパクトあるよね?」
海老好きの私としては、鶏よりも海老でした(笑)。
こんな会話を1時間ほど交わして、結局「えびまぜそば」で話がまとまったのです。
また、味や価格、メインの具材のソフトシェルシュリンプは大桜さんと共通ですが、他の具材の野菜や盛り付けはそれぞれの店舗事情で少し違う事となりました。
色々な人が絡んで一緒にやっていくとなると、簡単に物事が進まない、というは本当なのですね。